遅ればせながら、
あけましておめでとうございます。
今年も「酒モン ゲットだぜ！！」を
よろしくお願いいたします。
新年一回目の更新ということで、
めでたい話を書くことにします。
酒モン（酒を飲んでて捕獲したモンスター）
の話だ。
一駅だけ南に行った街で、
ビジネス街だが、隣町の淀屋橋と比べると
なんかほのぼのした感じがする街だ。
裏通りには安くて美味しい飲み屋さんもあり、
個人的に、仕事で行くことが多い街だ。
その日、僕は19時頃に仕事を終え、
肥後橋の裏通りにある中華料理屋で
生ビールを注文し、
餃子と唐揚げという、
「王・長嶋」「猪木・馬場」
「ガチャピン・ムック」などと並ぶ
名コンビをつまみに飲んでいた。
いや、無理に笑いを取りにいって、
スベってる感がたっぷりやねんけど・・・。
それはいいとして、そんな僕の隣の席には、
酢豚と冷酒という、
僕なら絶対にしない取り合わせで
飲んでいるおっさんがいた。
おっさんははじめ、スポーツ新聞を読みながら
１人でおとなしく飲んでいたのだが、
日本酒のおかわりをしたあたりから
だんだんテンションが上がり、
僕や店主に話し掛けてくるようになった。
僕も、ええ感じに酔いだしているおっさんが
もっと調子に乗るように、
大げさに相槌を打っていた。
やがてすっかり酒モンと化したおっさんは、
「なぁ、赤いマシュマロ、好き？」
と訳の分からないことを言い出した。
赤いマシュマロなんかありましたっけ？
と、僕が不思議そうな顔をするとおっさんは、
「知らんの？ めちゃくちゃ有名やで。」
と言うのだが、店主も僕も
赤いマシュマロなんか聞いたこともないし、
何のことか分からない。
困った僕が、
いや、ちょっと分からないです、
と言うと、おっさんは
「え？ あの赤いマシュマロやで！？
なんで知らんの！？
お土産の定番やん！」
と、ちょっと怒った感じで言ってくる。
僕も携帯で「赤いマシュマロ」と
検索したのだが、
出てきたイチゴ味のマシュマロの画像を
おっさんに見せても、
「全然違うわ！
そもそも知らんことが信じられへんわ！」
と、怒りは増すばかり。
店主も僕も途方に暮れていると、
おっさんはとんでもないことを言い出した。
「あっ、赤いマシュマロちゃうわ！
赤福やった！ 言い間違えた！」
おい、おっさん！
どうやったら、「赤福」を
「赤いマシュマロ」って言い間違うねん！
人を無知みたいに言うてからに！！
僕は怒りたいのを我慢して、おっさんに、
赤福やったらもちろん知ってますよ、
赤福がどうかしたんですか？
と聞くと、おっさんはカバンから
赤福の箱を取り出し、
「いや、好きやったら食べるかなと思って。」
と言った。
おっさん！
赤福を持ってるのに、
赤いマシュマロと間違うてたんかい！
そもそも先に現物を出してくれてたら、
すぐに分かったのに！
そして、店主とおっさんと僕で、
美味しく赤福をいただきました。
え！？
タイトルの「福があるおっさん」って
赤福を持ってきたおっさんのこと？
めでたい話にするために、
無理やりやん！
今年も「酒モン ゲットだぜ！！」を
よろしくお願いいたします。
今回捕獲した酒モン
・忘却タイプ
・レア度・・・☆☆☆
