酒モン ゲットだぜ!!

  酒を飲んでいて遭遇・捕獲した酔っぱらいのモンスター達、略して「酒モン」について綴っていくブログ

酒を飲んでいて遭遇したモンスター達について綴っていくブログです。 長編・短編・色々とございます。

USJのおっさん

今回は花園町(大阪市西成区)で捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話である。

 

説明すると長くなるので、

詳しくは説明しないが、

その頃、花園町にある鶴見橋商店街に、

2週間に一度、スジ肉を買いに行く

という重要な任務があった。

だいたい、休みの日の昼頃に行き、

スジ肉を買って、軽く飲んで

帰ってくるという流れだった。

 

鶴見橋商店街は絵に描いたような

下町の商店街で、

落語家の桂雀太さんと一緒に歩いている時に、

おっさんから

「このジャージを300円で買ってくれ」

と言われ、

「なんで?」

と聞くと、

「酒、飲みたいねん」

と哀しい声で言われたという、

ある筋では有名なエピソードも

ここの商店街での話だ。

ある筋って、どの筋?

 

その日も商店街の中の肉屋でスジ肉を買い、

どこかにいい飲み屋がないかしらん、

と思ってウロウロしていると、

前回に来た時にはなかった

立ち飲み屋がオープンしていたので、

その店に入ってみた。

10人くらいが入れる店で、

生中が250円、つまみもたしか180円からという

デフレスパイラルの権化みたいな店だった。

まぁ、この辺はデフレに関係なく、

どの店もこんな値段やけど。

 

生中とつまみを2つくらい頼んで

飲んでいると、隣で飲んでいた

パジャマみたいな服を来たおっさんが、

「なぁ、兄ちゃん、USJって知ってる?

    この前、スナックの女の子から

    聞いてんけど、何のことか

    分からへんかってん。USJって何?」

と聞いてきた。

USJのことは当然知っているが、

改めて聞かれると、どう説明したらいいのか

難しいなぁと思って、ちょっと考えていると、

パジャマのおっさんの向こう側で飲んでいた

サンタクロースみたいなニット帽を被った

おっさんが話に入ってきた。

 

「俺や!」

 

サンタのおっさんが豪語する。

パジャマのおっさんは

「え?」

と言って、振り返った。

サンタのおっさんは、今度は

パジャマのおっさんの顔をしっかりと見て、

「USJは俺や!」

と言い、豪快に笑った。

パジャマのおっさんは、

「あ、そうなんですか」

と言って、サンタのおっさんと乾杯をし、

僕とも乾杯をし、また飲み始めた。

その後、二度とUSJの話は出なかった。

 

その時、店の外にすごいスピードで

蛇行しながら走る車が見えた。

車の先にはベビーカーを押す若い女性が。

店の中にいたみんなが危ない!と思った

その瞬間、サンタのおっさんは

蜘蛛のマークが付いた赤いマスクを被り、

蜘蛛のマークが付いた

赤と青の全身タイツに着替え、

店の外に飛び出す。

ベビーカーに迫る暴走車。

このままでは、お母さんと赤ちゃんが

轢き殺されてしまう!

しかし、蜘蛛男になったおっさんが、

手首から出した蜘蛛の糸で、

その暴走車を間一髪止めたのだった。

 

「USJは俺」って、こういうこと?

 

※後半の蜘蛛のくだりは創作です

 

 

今日捕獲した酒モン

・迷走タイプ

・レア度・・・☆☆☆☆

世界的なおっさん

今回はこのブログで最初に取り上げた

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

である「限りなくのおっさん」のように、

変な口癖があるおっさんの話だ。

 

その日、僕は上新庄大阪市東淀川区)で

飲んでいた。

目当ての店がまだ開いてなく、

とりあえず入った店にその酒モンは出現した。

その店は、テーブル席だけの、

今思えば、本来は食堂なのかも

しれない店だったが、

3人くらいのおっさんが

各々別のテーブルに座って、飲んでいた。

いや、テーブルの上に座ってたんやなくて、

テーブル席の椅子に座ってたんですよ。

分かってるやろけど。

そして、僕もテーブル席の椅子に腰掛け、

飲み始めた。

 

みんな大人しく、テレビを見ながら

飲んでいたのだが、1人のおっさんだけが

店の人と大声で喋っていた。

おっさんは、

「最近、ストロングって

    チューハイ売ってるやろ?

    あれ、安くて酔っ払えてええわ。

    世界的に流行ってるもんな。」

と、グローバルな視点で、

おばあさんの店員に語る。

 

続いておっさんは、

「あの駅前のラーメン屋、

    チェーン店やったんやな。

    調べたら、色んなとこに支店があったわ。

    世界的な店やな。」

と、グローバルな視点で、

おばあさんの店員に語る。

 

さらにおっさんは、

「この前、長袖のTシャツを

    買いに行ったら、 売ってなかってん。

    しゃーないから梅田まで行ってんけど、

    それでも売ってなかったんや。

    世界的なTシャツ不足やな。」

と、グローバルな視点で、

おばあさんの店員に語る。

 

その時、テレビで、

カードゲームのような名前の

アメリカ大統領のニュースが流れた。

これはさぞ、グローバルに

語ってくれるんだろうと思っていたら、

おっさんはこう言った。

「こいつ、なんか胡散臭いな。

    俺の周りもみんな言うてたわ」

 

えーっ!

急に小さくなった!

これこそ世界的な話やん!

おっさんの周り以外も、

世界的に胡散臭いって思ってるって!

 

※FBIが怖いので、

   カードゲームみたいな名前の

   大統領の名前は伏せております。

   ちなみに「UNO大統領」や

   「花札大統領」ではありません。

 

今回捕獲した酒モン

・高揚タイプ

・レア度・・・☆☆☆☆

ディープキスのおっさん

今回もホームグラウンドの淡路で捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話だ。

 

その日、よく行っている某店に入ると、

かなり混んでいて、

初めて見る男女二人組と

相席することになった。

二人の雰囲気からして、

ご夫婦かカップルだろうなと

思ったのだが、話をしてみると、

上司と部下だということだった。

それぞれが家庭を持っていて、

男性は単身赴任で、数年前から

大阪に来ているとのこと。

名刺もいただいたのだが、

女性の方が上司だった。

明るくてお喋り好きの二人だったので、

店にいた常連のおっさんも交えて、

4人で2時間くらい、飲みながら話をし、

二人は先に帰っていった。

二人が帰った後、

しばらくして僕も店を出て、

駅に向かったのだが、

なんと、さっきの二人が

仲良く手を繋いで歩いていた。

 

えーっ!

上司と部下って言ってたのに!

ラブラブやん

 

と思ったが、

「大人だから色々あるよね」と思った僕は、

2人に声を掛けずに帰宅した。

 

後日、またその某店に行くと、

あの男女二人組と飲んだ時に

同席していたおっさんが飲んでいた。

僕はおっさんの横に座り、

既にすっかり酔っぱらっていた

そのおっさんに、

あの後、駅前で二人と会ったこと、

二人が仲良さそうに手を繋いでいて、

ラブラブな雰囲気だったことを

芸能レポーターのように報告した。

おっさんは、

「へぇ~、そやったんや。

 まぁ、仲良さそうやったもんな。」

と満面の笑みで答えた。

 

さらに後日、

僕が淡路の別の店で飲んでいると、

「あんた、駅前で女の子と

 キスしてたらしいな?」

とその店のママから言われた。

「え!? 何のことですか!?」

と、驚いて聞くと、

「隠さんでもええって。

 〇〇さんが見たって言うてたで。」

とニヤニヤしながら言われた。

〇〇さんというのは、あの日、

僕と男女二人組と4人で

飲んでいたおっさんのことだ。

僕がその後の顛末を報告した時に、

かなり酔っぱらっていた

おっさんの脳内では、

 

上司と部下だと言っていたカップルが

駅前で仲良く手を繋いでいた

 ↓

この話を僕から聞いた

 ↓

僕が駅前で女の子とキスをしていた

 

と変換されたらしい。

いや、どんな変換やねん!

 

さらにさらに後日、

また違う店で飲んでいると、

顔見知りのお客さんから

「〇〇さんから聞いたで。

 毎日、駅前で色んな女の子と

 ディープキスしてるらしいな?」

と言われた。

あのおっさんの脳内での変換は

さらに進んでいたようで、

「毎日」「色んな女の子」「ディープ」

という新たなキーワードが

付け加えられていた。

 

おっさんの誤った脳内変換のせいで、

僕はこの街で、

稀代のプレイボーイとして

名を馳せることになった。

 

今回捕獲した酒モン

・誤解タイプ

・レア度・・・☆☆☆☆

夢見るおっさん

今日はかなり昔に捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話だ。

 

九条(大阪市西区)に住んでいた頃、

隣町の西九条に定期的に

トロールに行っていた。

ちなみに、西九条は大阪市此花区で、

九条は大阪市西区で、九条駅と西九条駅

場所も路線も全然違う。

ただ、名前がややこしいので、

九条駅で待ち合わせをすると、

初めての人は17人に1人くらいが

間違って西九条駅に行ってしまう。

正確には23人に1人くらいかな?

いや、どっちでもいいけど。

 

その日、僕はこの世を儚んで、

おばあさんがやっている

串カツ屋さんで、昼から飲んでいた。

その店は、5人くらいしか入れない

カウンターだけの小さな店で、

僕以外にあと2人が、飲んでいた。

そのうちの1人、

僕に近い方で飲んでいだおっさんが、

「昨日、変な夢を見たわ。

   朝方に神社の境内みたいなとこを

    1人で歩いてる夢やねんやけど、

    景色がボヤ〜っとしてて、

    周りがあんまり見えへんねん。

    そこを手探りで歩いてる感じの夢で、

    なんか、怖かったわ。」

と、店主のおばあさんに言った。

話を横で聞いていた僕が

「え〜っ、怖い夢ですね。

    夢判断とかしてもらったら、

    どんな意味があるんですかね?」

と言うと、おっさんは、

「周りの景色だけやなく、自分の足下も、

    霞がかかったみたいに

    ボヤ〜っとして見えへん感じでな。

    でも、遠くに赤い鳥居みたいなんが

    見えて、神社にいてる感じはするねん。

    とにかく不思議な夢やったわ。」

と答える。  

すると、今まで黙っていた

店主のおばあさんが、目から鱗

ものすごいアドバイスをした。

 

「メガネを掛けて寝たら、

    ボヤッとせんと、

    ちゃんと見えるんちゃう?」

 

その通り!

ナイスアドバイス!!

と、ちゃうわ!

 

と思っていたら、おっさんは、

「なるほどな。今日はそうしよかな。」

と納得していた。

 

今回捕獲した酒モン

・誤解タイプ

・レア度・・・☆☆☆

 

キリンのおっさん

今回は神戸・新開地の中華屋さんで捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話だ。

 

その中華屋は、定食などもあるのだが、

場所柄か、誰も定食を食べておらず、

みんな昼から中華料理を

つまみに飲んでいた。

どんな場所柄や?って聞かれたら

答えに窮するけど。

その日も、僕は何もかもが嫌になり、

昼前から豚足をつまみに

瓶ビールを飲んでいたのだが、

そんな僕の様子を見て、

隣に座っていた

昼からお酒を飲んで、

グズグズの酔っ払いのおっさんが

話しかけてきた。

おそらく僕を同類だと思ったのだろう。

いや、実際、同類なんやけど。

 

そのおっさんは、

「兄ちゃん、兄ちゃんが今飲んでる

    ビールのサッポロって、

    あの北海道の札幌のことじゃないって

    知ってた?」

と、得意げに言ってきた。

「え?  あの札幌と違うんですか?」

と僕が聞くと、おっさんは

ますます得意げになり、

「そやねん。あの北海道の札幌とは

    違うねん。何か教えたろか?」

と言った。

一体何なのかが気になった僕は、

「教えてください!」と

言ったのだが、おっさんは

「サッポロってな、実はな、

   えーっとな、

   何やったかな・・・」と言い、

なかなかその先が出てこない。

おっさんが、

「うーん・・・、何やったかな?

    サッポロって、みんなは

    北海道の札幌やと思ってるけど、

    ホンマはあの街の札幌やなくて・・・」

と困っている。

すると、店の主人が、

「それ、キリンビールのキリンが、

    動物園にいてる

    あの首の長いキリンやなくて、

    中国の想像上の動物の麒麟やって

    話とちゃうん?」

と、そこそこ有名な話を出す。

すると、おっさんは、

「そうそう、それぞれ!

   兄ちゃん、そういうこと!」

と言った。

 

えーっ!

どう勘違いしたら、

キリンビールのキリンが

動物園にいてるキリンと違う、って話と

サッポロビールのサッポロが、

街の札幌と違うって話になるん?

そもそも、キリンビールの話なんか、

けっこう有名やし!

 

おそらくあのおっさんは、

今日もまたどこかで酔っ払って、

隣で飲んでいる人に

「兄ちゃん、

    アサヒビールのアサヒって、

    あの朝に出る朝日と違うって

    知ってる?」

とか言ってるはずである。

あと、

「エビスビールのエビスって、

    戎さんの戎と違うって

    知ってる?」

とか、

バドワイザーって、

    アドバイザーと違うって

    知ってる?」

とか、

ハイネケンって、

    島根県と違うって

    知ってる?」

とか。

思い付く限り、書いたった。

そして、僕が作った分は、

あんまりオモんない。

 

今回捕獲した酒モン

・忘却タイプ

・レア度・・・☆☆

酒モンの種類について

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

について綴っているこのブログですが、

この度、捕獲した酒モンを

「忘却タイプ」

「迷走タイプ」

「悲哀タイプ」

「誤解タイプ」

「高揚タイプ」

「憤慨タイプ」

の6種類のタイプに

分類することになりました。

いや、僕が勝手にやっただけやけど。

そして、その酒モンのレア度も

☆の数で表示することになりました。

いや、僕が勝手に判定してるだけやけど。

 

各ブログの文末に、

下記の様な感じで表記しております。

 

今回捕獲した酒モン

・高揚タイプ

・レア度・・・☆☆☆

 

皆さまも、捕獲した酒モンを分類する時に

この基準をお使いください。

使用は無料です。

 

当たり前や! 

なんで金いるねん!

そして、普通の人は

酒モンを分類することなんかないわ!

19人のおっさん

今回は阪神西宮で飲んでいる時に捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話だ。

 

その店は大人が両腕を開いたくらいの

狭い間口のお店で、

6席くらいのカウンターと、

4人が座れるテーブル席が1つある、

こじんまりとした店だった。

カウンターの上には

いつもママさんの手料理の大皿が

5つくらい並んでいて、

どれも美味しかった。

 

その日は僕と、一人のおっさんと、

夫婦らしき男女の計4人がカウンターで

飲んでいた。

夫婦の奥さんと僕が喋り、

旦那さんとおっさんが喋る、という、

変なコンパ状態で飲んでいたその時、

店のドアが開いた。

そこにはメガネでハゲの

量産型のおっさんが立っていて、

「19人やけど、いける?」

と、ニコニコしながら言った。

 

19人って!

なんでそんなたくさんで行動してるん?

なんでこんな小さな店に入ろうと思ったん?

なんでそんな大人数で飲むのに、

店を予約してなかったん?

 

様々な疑問が湧いたが、

それらをママの言葉が全て打ち消した。

 

「詰めたらいけるよー」

 

えーっ!

絶対に無理やん!

目先の売り上げが欲しいだけやん!

 

その後、僕ら4人は

カウンターの隅に移動し、

19人のおっさんたちは、

カウンターの奥の部分に3人が座り、

奥のテーブル席に補助椅子も含めて

6人くらいが座り、残りのおっさんは

トイレ前のスペースや

テーブル席と壁の隙間や、

本来ママがいるカウンターの内側に立ち、

詰めっ詰めで飲むことになった。

あまりの密度に帰ろうかとも思ったが、

その詰めっ詰めの「絵」が

テレビで見たインドのバスの車内みたいで

オモロかったので、そのまま飲んでいた。

19人のおっさんは、ワイワイしながら、

いっぱい飲んで、いっぱい食べていた。

そして、約1時間が過ぎた頃、

19人のおっさんのうちの1人が

こう言った。

「この店、ええ店やけど、

    ちょっと狭くないか?」

 

いや、めっちゃ狭い!

そして、気付くの遅い!

 

今回捕獲した酒モン

・高揚タイプ

・レア度・・・☆☆☆☆