酒モン ゲットだぜ!!

  酒を飲んでいて遭遇・捕獲した酔っぱらいのモンスター達、略して「酒モン」について綴っていくブログ

酒を飲んでいて遭遇したモンスター達について綴っていくブログです。 長編・短編・色々とございます。

店番させるおっさん 後編

今回も蘇我で捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話、その後編である。

 

前編のお店で、一仕事終えた僕は、

おっさんがくれた食べかけの焼きそばをつまみに、

気分よくビールを飲んでいた。

生ビールの追加を頼もうと、店主に告げるのだが、

「自分で入れて!」

と言われる。完全に従業員扱いだ。

仕方なく、ビールサーバーの前に行き、

自分でビールを入れた。

店主に、

「これとこれにも入れて!」

とジョッキを渡される。仕方ないので入れる。

そうこうしてるうちに、次から次へとお客さんが来て、

店はほぼ満員となった。

色んな席から一度に様々な注文が入り、

店主はてんやわんやしている。

ビールや料理の提供も遅れがちになり、

お客さんたちも少しイラついているのが分かった。

そしてそのうち、様々な席から

僕への不満が聞こえ始めた。

 

「あのバイト、どうして手伝わないの?」

「あいつ、いつまで休憩してるつもりなのかな?」

「マスターが忙しそうにしてるのに気付かないの?」

 

そんな言葉が、僕の耳に入ってくる。

まあ、店に入ってきた人に注文を聞き、

席に案内し、飲み物を運び、

ビールサーバーでビールを注いでいた僕は、

普通の客に見えるわけがない。

この状況がちょっと面白くなってきていた僕は、

さらに生ビールを飲む。もちろん自分で入れて。

 

しかし、時間が経つにつれて、

僕への批判はますます高まり、

 

「あのバイト、何様?」

「あんな働かないバイトを雇ったら、最悪だな」

「あれ、マスターの息子らしいよ。

 お父さんがあれだけ忙しそうなのに、

 よく無視して飲んでいられるね。」

「この状況を見て見ぬ振りできるなんて

 人間としておかしい」

「マスターが何も言わないなら、

 俺から文句言おうかな。殴ってやりたいよ。」

 

店内は僕へのヘイトスピーチ場となった。

はじめはこの状況を楽しんでいた僕だが、

さすがにもういたたまれない。

席を立ち、

「すいません、お愛想して下さい。」

店主にそう告げた。

店主は

「お兄ちゃん、ごめんね。

 飲みに来てくれてたのに手伝わせちゃって。」

と言った。

それを聞いた店内は少しざわつく。

そして、こんな声が聞こえた。

「まぎらわしい。なんなの、あいつ?」

 

おい!

勝手に間違えたんはお前らや!

 

 

今回捕獲した酒モン

・迷走タイプ

・レア度・・・☆☆☆☆☆