酒モン ゲットだぜ!!

  酒を飲んでいて遭遇・捕獲した酔っぱらいのモンスター達、略して「酒モン」について綴っていくブログ

酒を飲んでいて遭遇したモンスター達について綴っていくブログです。 長編・短編・色々とございます。

ツーショットのおばはん

今回は垂水(神戸市垂水区)で遭遇した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話だ。

 

その日、神戸での仕事が17時半くらいに

終わったので、新開地か板宿で飲んでから

大阪に帰ろうかしらん、と考えたのだが、

久しぶりに垂水で飲もうと思い立ち、

電車に乗り、JR垂水駅までやって来た。

 

垂水駅の辺りには古い商店街があり、

商店街の近辺はもちろん、

商店街周辺の迷路のように入り組んだ

狭い道にも飲み屋があり、

飲みながら探検するのが面白い街である。

僕はまず一軒目に、ある居酒屋に入った。

ここは昔、謝罪会見をする前の長髪時代の

佐村河内守にそっくりなおっさんに

話し掛けられた店だ。

佐村河内はなぜか、僕のことを

隣の駅にある寿司屋の店主だと

勘違いしていて、

その寿司屋の常連さんの悪口を

延々と聞かされたという淡い思い出がある。

いや、全く淡くはないねんけど。

 

その思い出の店に久しぶりに行ったのだが、

まだ早い時間なので、店内ではおばはんが

一人飲んでいるだけで、

他のお客さんはいなかった。

おばはんは7つくらいあるカウンター席の

左端で飲んでいたので、

僕は逆の右端の席に座ろうとした。

するとおばはんはいきなり、

「ここに座って、こっちで飲んだら?

 一人で飲んでても面白くないでしょ?」

と自分の隣の席に座るように促した。

このパターンは面白くならないはずが

ないので、僕はおばはんの隣に座り、

ビールと串カツを注文した。

おばはんはすでにチューハイを

何杯か飲んでいて、

テンションがめっちゃ高かった。

おばはん曰く、おばはんは高名な占い師で、

政財界や芸能界の様々な大物の

アドバイザーをしているらしい。

占いがものすごく当たるので、

テレビ局からのオファーも

毎日のようにあるのだが、

大物達の影のアドバイザーをしているので、

表には出られないというのだ。

にわかには信じられない話なので、

僕が疑いの眼差しを向けていると

おばはんは

「証拠を見せてあげようか?」

と言い出した。

証拠があるんですか?

と僕が言うと、おばはんはスマホを取り出し、

僕に画面を見せた。

そこには阪神の元監督 星野仙一氏との

ツーショット写真があった。

おばはんは、

「星野さんは若い頃から

    私が占ってあげてるの。

    阪神の監督時代も

    選手起用とかよくアドバイスしてたし。」

と得意気に言う。

写真を見せられたので、一瞬、

え? ホンマやったん?

と思ったが、その写真をよく見ると、

どう見てもファン感謝デー的な時に

撮った写真っぽかった。

どうも怪しいと思った僕は、

他に誰のアドバイザーをしてるんですか?と

聞いた。するとおばはんはまたスマホを触り、

演歌の大御所  北島三郎氏との

ツーショット写真を見せてきた。

おばはんは

「サブちゃんにはね、

    曲のタイトルをどうするかの

 アドバイスをしてあげてたの。

 ヘイヘイホーってタイトルも

    私が付けたからヒットしたのよ。」

と、さらに得意気になって言う。

だがこの写真も、めちゃくちゃ古い上に、

コンサート会場のロビーみたいなところで

撮った写真で、コンサート会場に行ったら

ロビーに偶然サブちゃんがいたので

写真をお願いした、という感じの写真だった。

そもそも「ヘイヘイホー」は

曲名とちゃうし・・・。

絶対にこいつは偽物だと思ったが、

このやり取りが面白くなってきていた僕は

他には誰なんですか?とさらに聞いてみた。

すると今度は小泉元首相の写真を見せてきた。

しかしこの写真がひどかった。

道端におばはんが立っていて、

そのおばはんのはるか後ろに

選挙カーの上に立つ小泉元首相が写っている。

完全に、演説に来た小泉元首相を

たまたま見つけて撮った写真だ。

 

面白くなってきた僕は、

おばはんを引っ掛けてやろうと、

あることを思いついた。

昔、創作落語台本の賞をいただいた時の

表彰式で、某落語協会の某会長に、

一緒に撮ってもらった写真があったので、

それをおばはんに見せることにしたのだ。

僕はおばはんに、

「実は僕も占い師なんですよ。

 この人のアドバイザーをしています。」

と言って、その落語協会会長との

ツーショット写真を見せた。

おばはんは、

「えーっ!」

とホンマに驚き、その後、

「お兄さん、あなたすごい占い師なのね。」

と、急に僕のことを

尊敬のまなざしで見てきた。

だが、最後に一言、おばはんはこう言った。

 

「でも、あなた、

    ちゃんとアドバイスしてあげてる?

 この人、不倫のスキャンダルとか、

 めっちゃ出てるじゃないの?

 あなたのアドバイスが悪いんじゃないの?」

 

え~っと・・・、

この話、書いて大丈夫やった?

俺、今後の仕事、大丈夫?

 

今回捕獲した酒モン

・虚言タイプ

・レア度・・・☆☆☆

 

※ちなみに今回捕獲した酒モンですが、

   新たに作った「虚言タイプ」という

   タイプに分類することにしました。