酒モン ゲットだぜ!!

  酒を飲んでいて遭遇・捕獲した酔っぱらいのモンスター達、略して「酒モン」について綴っていくブログ

酒を飲んでいて遭遇したモンスター達について綴っていくブログです。 長編・短編・色々とございます。

平仮名のおっさん

まさかの、今年初めての更新です。

以前は週一で更新していた時もありましたが、

最近、酒モンの捕獲量が減少しており、

更新が少なくて申し訳ないです。

イカナゴの漁獲高も近年激減していますが、

それと全く同じだと思っておいてください。

いや、全く同じではないねんけど。

 

今回は、最近の重点パトロール区域である

塚口兵庫県尼崎市)で捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話だ。

 

塚口は、駅の周辺に飲み屋だけでなく

様々な飲食店が数多くあり、

駅前はとても賑やかであるが、

ちょっと駅から離れると

いきなり住宅街になるという感じの街だ。

いや、まぁ、世の中の大体の駅前が

そんな感じとちゃうん?

 

そんなことは置いといて、

塚口では、そんな住宅街の一角に

なぜか飲み屋がポツンとあり、

しかもその店が軒並み名店だったりする

という不思議な街なのである。

 

その日、僕は、神戸方面での仕事が

思っていたよりも早く終わったので、

「帰りにどこかで飲んだろかしらん」と思い、

阪急塚口駅で途中下車した。

そして、以前、行ったことがある、

住宅街の中にある居酒屋を目指したのだが、

その途中にめちゃくちゃ気になる店を

発見してしまい、予定を変更して、

そのお店に飛び込んだ。

 

その店は、昭和の喫茶店のような外観で、

扉を開けたらいきなり廊下のような

細い通路があり、その通路の奥の右手に

カウンターがあるという、見たことがない

特殊な間取りのお店だった。

見慣れない間取りのため、

扉を開けたところで戸惑っていた僕を

奥から常連であろうおっさん2人が、

「奥に入っといで〜」と呼びかけてくれた。

この時の声が既にかなり酔っ払っている

感じだったので、僕は期待に胸を膨らませて

店の奥に歩を進めて、カウンターに腰掛けた。

あ、カウンターに直接腰掛けたのではなく、

カウンターの前の椅子に腰掛けたんですよ。

あと、「歩を進めて」って言葉、

人生で初めて使ったかも?

 

そんなことはいいとして、

まずは瓶ビールを頼み、カウンターの上に

置いてあった煮物のおばんざいを

2つほど頼んで飲み始めた。

このおばんざいがめちゃくちゃ美味しくて、

思わず同じものをおかわりするくらいだった。

 

そんなこんなでいい感じで飲んでいると、

先ほど、僕を呼び込んだおっさん2人が、

話しかけてきた。

 

「お兄さん、若いね? いくつ?」

 

答えを聞いても大して話が盛り上がらない

質問のベスト3に入るであろう質問をしてくる

おっさん。

しかし、ここは酒モンと仲良くなる

チャンスなので、

「42歳です!」

と、いつものように10歳ほど

サバを読んで答えた。

 

「そうなんや。結構、年いってるんやな。

 30代の真ん中くらいやと思った。」

 

と、僕のサバをさらに超えてくるおっさん。

そして、サバを超えられて、戸惑っている僕に

おっさんは追い打ちをかけてきた。

 

「わしはもう70を過ぎてるけどな、

 この年になって、改めて、

 若いうちに頑張っといてよかったと

 思ってるんや。」

 

なるほど。このおっさんは、

若いうちに仕事を頑張ったので、

今は隠居の身で、毎日好きなお酒を

飲んでいられるのか、と僕が勝手に

納得しようとしたのだが、

やはりこのおっさんは酒モンだった。

 

「70を過ぎてから、

 平仮名を覚えろって言われても、

 今からあんなぎょうさんの字を

 覚えられへんしな。

 若いうちに頑張って覚えといて

 よかったわ。」

 

いや、おっさん!

「若い時に頑張った」って、

平仮名を覚えたことなん!?

おそらく、それは大体の日本人がやってるで!

 

その後、おっさんは、

「あっ、勝ってるわ!」

と、僕にスマホの画面を見せてきた。

その画面には

阪神」「タイガース」などの文字が。

おっさんは平仮名だけでなく、

漢字やカタカナも使いこなす

マルチリンガルだった。

 

あっ、俺もマルチリンガルや!

あと、「サバを超えられて」って何?

そんな言葉ないで!

 

今回捕獲した酒モン

・迷走タイプ

・レア度・・・☆☆

寿司好きのおっさん

今回は新開地(神戸市兵庫区)で

飲んでいて捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話だ。

 

実は、この酒モンは2019年くらいに

捕獲した酒モンなのだが、

なぜか存在を完全に失念していて、

このブログには書いていなかった。

しかし先日、パソコンがクラッシュし、

データの移行をしていた際に、

今回の酒モンについてのメモが

保存されているのを見つけたので、

改めて記憶を辿り、

今回、日の目を見ることになった次第である。

 

その日、僕は、自分の性格の悪さと

感情を抑えられない幼稚さと

優先順位の付け方の下手さ加減が嫌になり、

昼からホームタウンの一つである

新開地で飲むことにした。

いや、昔の話やし、

なんで飲みに行ったかなんて忘れてるから、

ここのくだりは嘘なんやけど。

 

とにかく、僕は何度か行ったことがある

新開地の奥地にある立ち飲み屋さんに

行くことにした。

その立ち飲み屋さんは、20人くらいが入れる

大きめの立ち飲み屋さんで、

その日も昼間なのに

大勢のお客さんで賑わっていた。

僕は、カウンターの端の方に陣取り、

瓶ビールとタコの刺身、ネギのぬたを頼み、

飲み始めた。

いや、昔の話やし、

カウンターのどこに立って、

何を頼んだかなんか完全に忘れてるから、

ここのくだりも嘘なんやけど。

 

とにかく、この店で飲み始めたのだが、

店内のテレビで動物園の話をやっていたので、

周りで飲んでいたおっさんたちと

「動物同士が戦ったら、

 どの動物が一番強いのか?」という

話題になった。

いや、昔の話やし、店内のテレビで

何が流れていたかなんて、覚えていない、と

言いたいところだが、残念ながら、

ここのくだりは本当です。

 

とにかく、僕も含めたおっさん数人で、

「どの動物が最強なのか?」という

小学生並みの議論が始まった。

 

「そら、ライオンやろ」

おっさんAは、当然という顔で言った。

 

「いやいや、虎の方が大きいし、強いで」

おっさんBは、反論した。

 

「僕はヒグマかゴリラやと思うんです」

実は小学生の頃から温めていた意見を

吐露する僕。

 

「水中の動物を忘れてるわ。シャチは強いで」

おっさんAは続けた。

 

「水中の生き物を入れるんやったら、

 やっぱりワニとちゃうか?」

おっさんBも食い下がる。

 

「意外にカバが強いという話も聞きますよ」

僕は子供の頃にわくわく動物ランドを見ていて

仕入れた知識を披露した。

 

「そうや! 象を忘れてたわ。

 あれにはどの動物も勝てへんやろ!」

おっさんAは切り札を出した。

ここで結論が出るかと思われたその時、

横で黙ってこの議論を聞いていた

おっさんCが急に口を開いた。

 

「俺はアナゴやな!」

 

あまりにも意外な意見に驚く、

おっさんA・Bと僕。

 

「もしかして、アナゴって、

 噛む力がめちゃくちゃ強いんですか?」

と、僕が聞くと、

おっさんCはさらに驚きの発言をした。

 

「それは知らんけど、他にはネギトロかな」

 

唖然とするおっさんA・Bと僕を尻目に

おっさんCは、飄々と話を続ける。

「好きな寿司ネタの話やんな?

 俺はアナゴとネギトロやねん」

 

いや、おっさん!

さっきから、みんなで

ライオンとかゴリラとか言うてたやん!

なんで好きな寿司ネタの話をしてると

思ったんや!

「あぁ、こいつは象の寿司が好きなんや」とか

思いながら、みんなの話を聞いてたんか!?

 

話のテーマはそこから不自然な形で、

「どの寿司ネタが好きか」というテーマに

移り変わった。僕はもちろん、

「剣先イカシマアジ」と答えた。

だって好きなんやもん。

 

 

今回捕獲した酒モン

・誤解タイプ

・レア度・・・☆☆☆☆

 

ナッツのおっさん

久々の更新ですが、短編です。

今回は、最近の超重点パトロール区域である

神崎川大阪市淀川区)で捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話だ。

 

神崎川駅は大阪の北の端にあるのだが、

どれくらい北の端にあるかというと、

淡路駅とほぼ同じくらいの北緯である。

まぁ、あんまり大阪市内の「北緯」を

気にしてる人はおらんやろけど・・・。

 

神崎川駅の北側の改札口を出て、

目の前にある橋を渡ったら

すぐに豊中市であることからも

どれだけ大阪市の北の端にあるかを

ご理解いただけると思う。

いや、最初からこの説明でええやん?

「北緯」がどうたらとかややこしいだけやん?

 

そんな字数稼ぎはいいとして、

神崎川は、駅前に細長い

アーケードの商店街があり、

点々とだが、広範囲に渡って飲み屋がある

探検のしがいがある街である。

 

その日、僕は自分の能力の低さと

社会性のなさ、貪欲さの欠如、

努力不足、怠惰で悲観的な性格などに

嫌気がさして、仕事を早めに切り上げ、

神崎川に飲みに行くことにした。

いや、僕ってそんなに欠点ばっかり?

ええとこも少しはあるんとちゃうん?

 

そんな字数稼ぎは置いといて、

17時半頃に阪急の神崎川駅に着き、

商店街に滑り込んだ。

商店街に滑り込んだって、

表現がおかしいな・・・。

 

とにかくすぐにでも飲みたかったので、

とりあえずの1軒目として、

その商店街の中にある

老舗の居酒屋に滑り込んだ。

いや、また、滑り込むんかいな・・・。

 

その居酒屋はなかなかの大箱で、

外からは窺い知れなかったのだが、

中に入ると大勢のお客さんで賑わっていた。

僕は端っこの方のカウンターに座り、

ビールを注文して、美味しいけど、

原材料がよう分からん煮物で飲みはじめた。

 

しばらくすると隣で飲んでいたじいさんが

話し掛けてきた。

こういう「THE 地元」な居酒屋で

飲んでいる時の一つ目の質問は大体が

「この辺に住んでるん?」であるが、

今回もまさにそうだった。

僕が大阪市北区から、酒を飲むためだけに

神崎川駅に来たことを告げると、

じいさんは驚いて、

「北区やったら、梅田の方が近いし、

 若い人も多いし、楽しいで。

 梅田に行った方がええんとちゃう?」

と、神崎川観光大使としては

あるまじき発言をした。

いや、まぁ、じいさんは別に

神崎川観光大使とちゃうねんけど。

 

その後も、色々と話をしながら

飲んでいたのだが、

「納豆って体にええからな、

 俺は毎日食べてるんや。」

と、じいさんが突然、納豆の話をしてきた。

僕が、そうなんですか、と返答すると

じいさんは、

「あと、ナッツも体にええからな。

 酒のつまみによう食べてるんや。」

と、今度はナッツの話をしてきた。

僕が、ナッツも体にいいんですね、と言うと、

じいさんは得意げにこう言った。

「そらそうや。納豆もナッツも

 元は同じもんや。

 納豆の複数形がナッツやからな。」

 

いや、じいさん!

絶対に違うし!!

敢えて言うなら、納豆の複数形は

「ナットウズ」やろ!!

それも多分違うけど!!

 

その後、じいさんはご機嫌で、

僕より先に店を出て行った。

じいさんが出て行った瞬間、

店のおばさんに、なぜか

「お兄さん、ごめんね。」

と謝られた。

 

 

今回捕獲した酒モン

・誤解タイプ

・レア度・・・☆☆☆

太麺のおっさん

気付いたら、今年初めての更新です。

コロナのせいで、ホンマに変なおっさんと

出会う機会が減り、死活問題です。

まぁ、変なおっさんと出会わなくても、

死ぬことはないねんけど。

 

今回は、最近の重点パトロール区域である

北加賀屋大阪市住之江区)で捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話だ。

 

北加賀屋は、大正時代には造船の街として、

かなり栄えた街で、今でも大きな商店街が

あり、その周辺にはたくさんの飲み屋がある。

一昨年に、仕事でたまたま通りかかり、

あまりの街の雰囲気の良さに

「近々、絶対に住む!」と決めている

街である。

 

その日、僕は何もかも上手くいかない自分に

嫌気がさして、最近のお気に入りの街である

北加賀屋に飲みに行くことにした。

 

17時くらいに地下鉄の北加賀屋駅に着き、

前から目をつけていた、

暖簾や壁が煙で黒くなっている、

ええ感じの焼鳥屋さんに向かった。

店内に入ると、まだ普通の人なら働いている

時間なので、店主と客のおっさんの2人しか

いなかった。

僕は、おっさんの二つ隣の席に座り、

生ビールと数本の焼鳥で飲み始めた。

 

しばらくすると、おっさんが

「今日は休みなん?」

と聞いてきた。

僕が、

「仕事ですけど、色々と嫌になったので、

 早めに切り上げて飲みに来ました」

と正直に答えると、おっさんは

「若いうちはそれでええねん」

と笑顔で返してきた。

よう考えたら、若いうちこそ、

嫌なことも努力して乗り越えないと

アカンような気がするのだが、

僕がおっさんの言葉を否定するのも

おかしいので、

「そうですよね〜」

と、同調しておいた。

こんな気のいいおっさんだったが、

やはり酒が進むと、酒モンへと変貌した。

 

一時間ほど、たまに話をしながら

飲んでいたのだが、突然、おっさんが、

「向こうのバスが通る道にあるラーメン屋に

 行ったことある?」

と聞いてきた。

僕が

「いや、ないです。美味しいんですか?」

と聞くと、おっさんは

「あそこの細麺、太いねん!」

と、コペルニクス的発想の発言をした。

いや、全く、コペルニクス的やないねんけど。

 

僕が驚いて、

「どういうことですか?」

と聞くと、おっさんは詳細な説明を始めた。

 

「あのラーメン屋な、おかしいねん。

 細麺は思ってるより太いしな、

 太麺は思ってるより細いねん。」 

 

いや、おっさん!

それは、お前の「思ってるより」の

基準がおかしいんとちゃうんか!

 

僕はそう思ったが、

「そうなんですか」

と、おとなしくおっさんの話を聞いていた。

おっさんはさらに興奮して、

「細麺の太さが太過ぎやし、

 太麺の細さが細過ぎやし、

 細麺が太麺で、太麺が細麺みたいに

 感じるんや!」

と、訳の分からないことをまくしたてた。

 

僕は、

「細麺の太さが太過ぎ」

「太麺の細さが細過ぎ」

という言葉の意味が

頭にスッと入ってこなくて

戸惑っていたのだが、

その気持ちを代弁するように、

これまで寡黙に焼鳥を焼いていた店主が、

「頭がおかしくなりそうやから、

 訳の分からんことを言わんといて!」

と、少し怒り気味で注意した。

 

その後、僕はおっさんにラーメン屋の場所を

詳しく聞いて、食べに行ってみた。

醤油ラーメンを注文し、

「麺の太さは選べるんですか?」

と聞いたのだが、

「うちは、麺は一種類です」

と淡々と言われた。

「あれ? 前は選べませんでしたっけ?」

と白々しく聞いたのだが、

「いや、ずっと一種類です」

と冷たく言われた。

 

おい! おっさん!

さっきのはどこの店の話やねん!

 

今回捕獲した酒モン

・高揚タイプ

・レア度・・・☆☆☆

ワクチンのおっさん

今回は僕のホームタウンである

淡路(大阪市東淀川区)で捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話だ。

 

その日、僕はもう本当に何もかもが嫌になって、

淡路に飲みに行くことにした。

そして、いつも行く順番にハシゴして、

三軒目に入ったお店で、その酒モンは出現した。

 

月に一度は顔を出しているそのお店に入ると、

常連のおっさんと店主が

二人で楽しそうに飲んでいた。

 

僕は、おっさんの近くの席に座り、

生ビールと突き出しの謎の煮物で飲み始めた。

しばらくすると、おっさんが僕に

話しかけてきた。

時節柄、話題はワクチンの話で、

「兄ちゃん、ワクチン打った?」

と、おっさんが聞いてきたので

僕が普通に

「はい、3回打ちました」

と答えたところ、おっさんは

ファイザー? モデルナ? 注射?」

とさらに聞いてきた。

 

ファイザーもモデルナも注射やねんけどな、

と思いながら、

ファイザーです」

と答えると、おっさんは、

「俺も3回打ってんけどな、

 1回目と2回目はファイザーやってん。

 3回目は昨日で、

 初めてのモデルナやってんけど、

 モデルナはめちゃくちゃ痛かったわ。」

と腕をさすりながら、言った。

 

「モデルナはそんなに痛いんですか!?」

と僕が聞くと、おっさんは親指と人差し指で、

トイレットペーパーの芯くらいの大きさの

輪っかを作り、こう言った。

「そら、痛いで!

 だって針もこのくらい太かったもん!」

 

いや、おっさん!

そんな太い注射針、ないやろ!?

もしそんな太い針で注射したら、

おっさんの上腕に大穴が開いてるやろ!

 

僕が

「そんなに太くないでしょ!?」

とツッコむと、おっさんは、

「ちょっと見ただけでは分からんけどな、

 もし次にモデルナを打つんやったら、

 ちゃんと見てみ? 

 ちゃんと見たら、このくらい太いから。」

と真顔で答えた。

 

いや、おっさん!

ちゃんと見ても、太さは一緒や!

ちょっと見ただけでは分からんのに、

ちゃんと見たら、めちゃくちゃ太いって

どういうことやねん!

 

まぁ、とにかく、来年はコロナが終息して、

いっぱい飲みに行けますように。

なに!? この年末感たっぷりで、

誰でも書きそうなベタな終わり方!?

 

 

今回捕獲した酒モン

・迷走タイプ

・レア度・・・☆☆☆

路面凍結のおっさん

またまた短編です。

今回は布施(東大阪市)で飲んでいて捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話だ。

 

その日、僕は16時半という、

世界で一番微妙な時間に、

東大阪市での打ち合わせが終わった。

このまま大人しく、事務所に戻るという

選択肢もあったのだが、一度戻ってから、

どこかに飲みに出掛ける場合の

時間のロスと面倒くささを考えた結果、

このまま飲みに行く方が効率がいいという

結論を得たので、飲みに行くことにした。

 

え〜っと、普通に戻って、仕事した方が

人生としての効率はいいよね?

 

ともかく、飲みに行くことに決めた僕は

布施で途中下車することにした。

布施は、少し規模が小さい

阪神尼崎のような街で、

昼飲みできる店も多数あり、

阪急神崎川駅と共に

本年度の重点パトロール地域と

なっている街だ。

そんな布施の立ち飲み屋にも

酒モンが出現した。

 

そのお店は、ものすごい佇まいの

立ち飲み屋で、普通の人では

絶対に入らないような門構えなのだが、

僕は普通の人ではないので、

何の躊躇もなく店に足を踏み入れた。

ちなみに「門構え」って書いたけど、

店に門はないですよ。

「店の入り口」くらいの意味で使ってます。

いちいち説明せんでも、

みんな分かってるやろ!

 

そのお店は古い木造りの

カウンターだけのお店で、

おっさんの二人連れと思しき先客が、

テレビを見ながら焼酎を飲んでいた。

小さなお店だが、おつまみの種類も多く、

僕も瓶ビールと豚もやしとどて焼きを頼み、

飲み始めた。

 

しばらくするとテレビで天気予報が流れた。

それを見ていたおっさんAが呟く。

「うわぁ、明日、めっちゃ寒いやんか!

 最低気温が1℃やって!」

 

それを聞いたおっさんBも呼応する。

「ホンマや、嫌やなぁ。

 明日、福知山の方に配達に行くんや。

 路面凍結してたら、どないしよ?」

 

真っ当な心配をするおっさんB。

これに対するおっさんAの反応に

僕は驚愕した。

「安全運転で行かなアカンで。

 路面凍結したら、

 道が凍る可能性もあるからな。」

 

いや、おっさん!

路面凍結したら、もう道は凍ってるねん!

路面凍結って「道路が凍る原因の一つ」やと

思ってたんか!?

 

心の中で盛大にツッコんだ僕だったが、

おっさんBは全く動じずこう言った。

 

「まあ、最悪、行かんでもええ配達やけどな」

 

いや、行かんでもええ配達なんか、

この世にないやろ!

 

僕は布施という街の奥深さを思い知らされた。

 

今回捕獲した酒モン

・誤解タイプ

・レア度・・・☆☆

データ通信量が少ないおっさん

今回は超短編です。

今回は、関目(大阪市城東区)で

飲んでいて捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)の

話だ。

 

関目は、京阪電鉄関目駅

地下鉄今里筋線の関目生育駅が隣接しており、

少し離れたところには

谷町線関目高殿駅があるという、

まさかの3WAYが楽しめる街である。

いや、まさかの意味が分からへんけど・・・。

 

僕は一時期、今里筋線の終点である

井高野駅の周辺で飲むことに

ハマっている時期があり、

その乗り換えのために

よく関目駅を利用していたのだが、

まだこの街で飲んだことはなかった。

しかし、改めて探検に来てみると、

やはりこの街にも酒モンが出現した。

 

僕はその日、15時からの打ち合わせが

クソみたいに上手く行かなかったので、

早々に仕事を切り上げ、前から気になっていた

関目に飲みにいくことにした。

改札を出ると、いきなりいい感じの

飲み屋さんがいくつもあり、

めちゃくちゃテンションが上がった僕は

屋台に毛が生えたような

屋台のような居酒屋で飲むことにした。

 

いや、表現がめちゃくちゃかもしれんけど、

ホンマに「屋台に毛が生えたような

屋台のような居酒屋」やねん!

実際にその店を見たら、

僕の表現力の凄さに脱帽するから!

 

そんなことはさておき、

僕はビールと焼き鳥を頼み、飲み始めた。

店内では先客のおっさんが2人おり、

まだ17時半くらいなのに、

大声で話をして盛り上がっていた。

 

しばらくすると、おっさんの元に

ズリ皮ポン酢が運ばれてきた。

おっさんAはそのズリ皮ポン酢を見て、

不満を漏らす。

 

「ネギが少なくない?」

 

その発言に、おっさんBが答える。

 

「そら、2ギガやったら少ないで!」

 データ無制限にした方がええで!」 

 

いや、おっさんB!

今のはどう考えてもズリ皮ポン酢の話やろ!

おっさんAは、確実に「ネギが」って

言うてたぞ!

どう聞き間違えたら、

「2ギガ」って聞こえるねん!

 

その後、おっさんAはマスターに頼んで、

ネギを追加してもらっていた。

僕は思い切って、

「データを追加して、2ギガ増えましたね」

とおっさんBに言ったが、完全に無視された。

無視すんな!

 

今回捕獲した酒モン

・誤解タイプ

・レア度・・・☆☆☆