酒モン ゲットだぜ!!

  酒を飲んでいて遭遇・捕獲した酔っぱらいのモンスター達、略して「酒モン」について綴っていくブログ

酒を飲んでいて遭遇したモンスター達について綴っていくブログです。 長編・短編・色々とございます。

閉店する店のマスターのおっさん

今回は前回の続き、

三重県津市で飲んでる時に捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)

の話である。 

 

明日で閉店というお店に、

偶然入ったのだが、世が更けるにつれて、

一人、また一人と常連さんが帰っていった。

マスターはなぜか僕の前に座り、

自分で入れた生ビールを飲みながら、

ずっと話し掛けてくる。

明日で閉店やねんから、

常連さんと喋ったらいいのに、と思いながら、

マスターと話しているうち、

ついに僕以外の客が全員帰ってしまった。

それでもマスターの喋りは止まらず、

結局、この店をオープンする前から

今日に至るまでの大河ドラマ

全て聞かせてもらった。

 

話が一段落付いたところで、

ふと時計を見ると24時近かった。

慌てて、スマホで時刻表を調べたが、

当然、大阪までは帰れるはずもない。

タクシーで帰ると莫大な金額になるので、

諦めて、このあたりで

安いホテルを探すことにする。 

マスターに終電を逃したことを告げると、

「それやったら、知り合いのホテルに

 頼んだるわ。飲んでて、終電を逃す

 お客さんも多いから、

    いつも紹介してるねん。

 知り合いやから無理もきいてくれるし、

 安いし、綺麗なホテルやで。」

と言って、電話をしてくれた。

 

「うちのお客さんが、終電を逃してな。

 お前とこのホテル、部屋空いてない?

 え? 空いてるのにアカン?

 伊勢志摩サミットやってるから?

 どういうこと!?」

マスターの電話を横で聞いていたが、

どうも交渉は上手くいっていなさそうだった。

 

「いや、だから、その空いてる

    ダブルの部屋に、兄ちゃん一人を

    泊めたってくれたらええやんか!

 え? 規定があって、二人部屋を一人に

 貸したらアカンって?

 それやったら、俺が兄ちゃんと一緒に、

 その部屋に二人で泊まるわ! 

 それやったら文句ないやろ!?」

 

マスターの電話を横で聞いていたが、

交渉は、なんかとんでもなく不穏な流れに

なっているようだった。

マスターの電話は続く。

 

「伊勢志摩サミットの関係のお客さんが

 急に来るかもしれんから、

 部屋は空けとかなアカンって? 

 こんな遅い時間から

    伊勢志摩サミットの関係者が

 飛び込みで泊まりに来るわけないやろ!

 お前とこみたいな、

 ぼったくりの汚いホテルに!!」

 

マスターの電話を横で聞いていたが、

さっきまで、安くて綺麗だったホテルは

一瞬にして、ぼったくりの汚いホテルに

変わり果てたようだ。

 

その後もマスターは長々と電話で

なんやかんや言い合いをしていて、

ついには

「もうええわ!」

と言って電話を切った。

 そして、マスターは僕に

「なんか、今日は満室みたい」

と告げた。

 

マスター、間をはしょり過ぎや!

こっちはマスターの会話から

大体の事情は把握したぞ!

 

 僕はスマホでビジネスホテルを探した。

5分で、安くて綺麗なホテルが見つかった。

 

 

今回捕獲した酒モン

・憤慨タイプ

・レア度・・・☆☆☆