酒モン ゲットだぜ!!

  酒を飲んでいて遭遇・捕獲した酔っぱらいのモンスター達、略して「酒モン」について綴っていくブログ

酒を飲んでいて遭遇したモンスター達について綴っていくブログです。 長編・短編・色々とございます。

僕を産んだ人の夫のおっさん

今回は京都の実家で捕獲した

酒モン(酒を飲んでて捕獲したモンスター)   

の話だ。

 

そのおっさんは、

僕を約10ヶ月もの長い間、

お腹の中に居候させてくれ、

お腹から出てきて以降も、

ミルクを飲んだ後に背中をトントンして

ゲップをさせてくれたりと、

色々と世話を焼いてくれた女性の夫だった。

簡単に言えば、僕の父親だ。

いや、別に字数を稼ぎたかったわけではなく、

照れ隠しのようなものです。

 

今から約10年前のある日、

久しぶりに実家に帰って、

両親と一緒に夕食を食べていた。

うちの両親はすごくおしゃべりで、

母親の作ったおかずを食べながら、

みんなでビールを飲み、

3人で3時間くらい延々と喋っていた。

父親は途中から日本酒になり、

さらにブランデーを飲む、という、

フルコースを満喫していた。

 

ご存知の通り、僕はドラえもんが大好きだ。

いや、ご存知じゃないかもしれないが、

そうなのだ。

そして、ご存知の通り、

僕は淡路(大阪市東淀川区)が大好きだ。

これはこのブログの読者ならご存知だと思う。

この2つの好きなものには実は繋がりがある。

母親の勤め先が淡路駅の近くで、

僕は小さい頃からよく行っていた。

そして、ドラえもんの映画の1作目である

のび太の恐竜」を、

僕は淡路駅の映画館「淡路東宝」で、

母親と一緒に観ているのだ。

その後も、4作目くらいまでは、

淡路東宝で、母親と一緒に観たはずだ。

その日から20年以上の月日が経ち、

のび太の恐竜」のリメイク版が

公開されることになった。

これは絶対に淡路東宝で見たい!と

思った僕は、友人を誘って、

わざわざ淡路まで観に行った。

20数年ぶりに訪れた淡路東宝だったが、

客席は綺麗になっていたものの、

階段の手すりなどはおそらく当時のままで、

懐かしくて、正直、泣きそうだった。

 

そして、前述の親子3人で飲んでいる日に

このことを母親に話した。

母親も、そうやったなぁ、懐かしいなぁ、

あんたが小学校低学年の頃やったな、

あの頃のあんたは可愛いかったなぁ、

まだあの映画館あるんやなぁ、と

懐かしい思い出に浸り、

少し目も潤んでいた。

だが、このいい雰囲気の中、

かなり酔っ払っていた父が急に口を挟んだ。

ドラえもん のび太の恐竜って

    おかしいやろ!」

父親はなぜか怒っている。

え?  なんで?

僕が聞くと父は

「主役はドラえもんのび太

    どっちやねん!

    サザエさん、マスオの恐竜とか、 

    絶対にないやろ!」

と、さらに怒りをこめて言い放った。

 

そらないけど!

このええ感じの時に言わんでもええがな!

 

その後も父親は、

ゲゲゲの鬼太郎  猫娘の恐竜とかない!」

とか、

「ポパイ  オリーブの恐竜とかない!」

とか、ずっと怒っていた。

そんな父親が他界して、6度目の夏が来た。

まだ生きてるわ!

「僕を産んだおばはん」と同じオチを使うな!

 

※淡路東宝は2017年に閉館しました。

   

今回捕獲した酒モン

・憤慨タイプ

・レア度・・・☆☆☆